確認状とは?-残高を確認する書面

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残高確認状

 経理で働いている方は、下記のようなフォーマットをご覧になったことはないでしょうか。こちら、監査法人と縁のない方からすると、何の督促状だと思われる方も多いそうです。

 でも、お願いですから、捨てずに、ご回答のほどお願いします(笑)。こちらを返送いただかないと、あなたの得意先と監査法人が困ってしまいます。ただ、そもそも確認状とは、何なのか、何のために行っているのかを説明しているケースをみたことがありませんので、実務経験をもとに可能な限り詳しく説明します。

 上記が、確認状のサンプルです。流石に実際に使っていたフォーマットを使用するわけにはいかないので、私が作成しました。

 確認状とは? その目的は?

 簡潔にいいますと、確認状とは、主に残高を確認するために、会社が作成し、監査法人が送付し直接回収する書類のことです。

 上場会社等、規模の大きい会社は、監査法人による監査を受けています。その中で、得意先に対する債権である売掛金や、仕入先に対する債務である買掛金については、その計上している金額を確かめることが多いです。

 どうやって確かめるのがいいのかという方法については、色々とあるのですが、一番簡単な方法は、先方に確認してもらって、あっているか否かを書面で回答を得ることなんですね。まさにこれが確認状の目的です。

 なぜ監査法人が送って直接回収するのか?

 この簡単な方法ですが、実は欠点もあります。それは、得意先と結託してしまって回答を歪めたり、実際には、確認状を発送せずに会社の方が直接回答をしてしまうというリスク(不正)があります。

 そこで、返送先を監査法人宛にして会社に作成してもらい、その書類を監査法人が発送して、直接回収するという手段を取ります。この方法では、得意先と結託してしまった場合のリスクは避けられませんが…。

 ※実はこの回収や発送が、公認会計士試験を受かった新人が一番最初にやるお仕事であることが多いです。郵便屋さんに就職したみたいですね笑。しかも、手紙さえ送ることのないこの時代、当然なれておらずに大変時間がかかったり、切手を貼り忘れたり、正直凹むことも多いお仕事です。

 なにせ大企業だと100件以上送付しますし、誤った宛先に確認状を送付してしまうと大変なことになってしまいます。神経をすり減らすお仕事なのです。

 なぜ、再発送?

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 ちゃんと回答したつもりのに、再度送付されて回答を求められた経験はございませんか?間違えたのであれば、仕方ありませんが、回答もあっているのになぜと思った方も多いのではありませんか。

 そのときは、以下のケースに該当することが多いです。

 ①監査法人ではなく、直接得意先に返送してしまった。

 ②会社印がない。もしくは、個人印で返送。

  ※海外の場合は、サインがない。

 ①の場合は、上述のとおり、直接回収をしていないため、改ざんのリスクなどを避けるために、原則すべて再発送となります。そのため、何の回答も変更することはないですが、もう一度、お手元に届き、そのまま監査法人に返送するという作業が発生します。

 ②の場合は、こちら、会社としての確認になりますので、個人の方の責任ではなく、会社としてのご回答を期待しているため、再発送となります。

 実際はどのようなことを書くの? 

 こちらは、サンプルを見ていただくといいのですが、それぞれ重要なところは、A-Hまで記号を振っていますのでそちらを解説します。

 A: 残高を確認したい取引先の会社名、ご担当者名を記載します

 B: 監査を受けている会社の名称、代表取締役名前、及び社印を捺印します。

 C: いつ時点の残高を確認するか記載します。

   通常、決算期のみに送付するので、3月決算の場合は、3月31日となります。

 D: 返送期限です。返送が厳しい場合、先方へ連絡いただけると大変助かります。

 もしくは、返送が切れてご連絡いただけない場合は、得意先から督促がきます。

 E: こちらは、先述の通り、直接監査法人まで返送くださいと一言添えます。

   なお、通常は切手を貼付済の返送用封筒が同封されています。(入れてなければ新人のミスです笑)

 F: 確認をしたい勘定科目及び残高を、監査を受けている会社が記載します。

 G:   ここよりしたが、受け取った得意先のご回答です。

   差異がなければチェックして終了です。

 H: 上記で差異が生じている場合は、勘定科目名、金額及び差異理由を記載します。

   差異理由として多いのは、

   1.認識のタイミングのズレ

          2.そもそも請求書が届いていない

          3.単純に残高ミス

          です。なお、こちらを記載した後に、社印を押して返送します。

 ブランク確認状とは?

 F,G,Hの書式とは異なり、発送先の残高が記載しておらず、特定の勘定科目について、金額をご記載くださいという方式もございます。こちらを、ブランク確認状(白紙)と呼びます。

 主に、債務の網羅性(※)を確認する際に使用されます。

この場合は、得意先自身で認識している金額を記載するだけです。

 ※網羅性とは、計上した金額を確かめるのではなくて、もともと計上されていない分がないかどうかを確認することです。

 積極的確認、消極的確認とは?

 会計士試験を受けている方は、聞いたことのある積極的確認、消極的確認ですが、ほぼ100%、積極的確認しかしません。前者は、回答があっていても、あっていなくても返送することを要する形式で、後者は、あっていない場合のみ返送するという方式です。

 したがって、確認状を受領した企業様は、お手数ですが、返送をお願いします。

 以上、確認状についてでした。

 監査についてさらに詳しくお知りになりたい方はこちら。